厚生労働省が公表した令和8年版労働経済の分析(労働経済白書)で、
AIが職場に広がるなか、「メタスキル」の向上が重要になると指摘されました。
白書は、論理的思考力、批判的思考力、問題解決能力、コミュニケーション能力など、特定の業務に
とどまらず応用できる力をメタスキルと位置づけています。メタスキルの高い労働者は賃金が高い傾向に
あり、習得と処遇改善の好循環をつくることが大切だと強調しました。
メタスキルは、「スキルを使いこなすスキル」という意味でも語られます。知識や手法(ハードスキル)と、
人との関わりの力(ソフトスキル)をつなぎ、実際の場面で使える形にする力です。「知っている」と「使える」
の間には大きな差があり、繰り返し実践しながら身につけていくものだといわれます。
AIは、知識の整理や作業の効率化を得意とします。だからこそ、その結果をどう読み、どう判断し、人に
どう伝えるかが、これから人に問われるのだと思います。
私自身も、学び続ける必要があると考えています。私はかつてIT企業で働き、離れてからも通算8年間、
ITインストラクターを経験しました。社会保険労務士を志してからは、職場でパソコンを操作する程度
になりましたが、当時の経験を無駄にしたくないと、AIPA認定のAI・IoTマスターコンサルタントの資格
を取り、数年前にITコーディネーターの実技課程も修了しています。
AI導入で事業を変えていく企業に、社労士やキャリアコンサルタントとしてだけでなく、この分野でも
少しでもお役に立てれば。あの頃のキャリアは無駄ではなかったと、自分自身のキャリアの歩みを俯瞰して
見られるのではないかと思っています。
一方で、デジタル技術やセキュリティの難しさ、怖さを、あらためて痛感しています。
2026年10月21日、PHPの重大な脆弱性への対応で、国内のネットショップや保育支援サービスが相次いで
緊急メンテナンスに入りました。皆さまの日常や職場でも、対応に追われている方がいらっしゃるのでは
ないでしょうか。知識を増やすだけでなく、使える力にしていく。「メタスキル」ーー私自身も精進する
必要があります。
働く方が、仕事を楽しみ、やりがいや生きがいをもてる職場へ。その一歩を、ご一緒できれば幸いです。
【出典・参考】
・厚生労働省「令和8年版 労働経済の分析(労働経済白書)」(2026年)
・岩下幸功「メタスキル(Meta Skills)」(オンライン編集長 10月号)
・PHP開発チーム「Security advisory: Critical remote code execution vulnerabilities, update now」
(php.net、2026年10月21日)