メンタル不調は、いま多くの職場で身近な課題になっています
労働政策研究・研修機構(JILPT)の「第3回日本人の就業実態に関する総合調査」(調査は2018年実施、2026年4月公表)では、過去3年間に精神的な不調を感じたことがある人が33.1%、3人に1人でした。
性・年代別では、女性30代が43.2%、女性20代が42.2%、男性30代が38.9%と、20代・30代で高く、女性の50代も34.2%と全体を上回っています。
企業側の調査も同じ傾向です。日本生産性本部の2025年の調査(上場企業の人事担当者が回答)では、最近3年間で「心の病」が増加傾向の企業が約4割(39.2%)でした。「心の病」が多い年齢層は、10〜20代が37.6%、30代が33.5%と続き、50代以上は10.0%と最も低いものの、2021年の3.6%から増え続けています。
不調は、特定の年代だけの問題ではありません。事業所でできることの一つが、従業員の健康情報の取扱いルールを決めることです。
目的と取扱方法、情報を取り扱う人とその権限、本人への通知と同意の取得方法、管理の方法、開示や訂正、第三者への提供、苦情の処理、従業員への周知の方法などです。
大きく3つに分けて考えます。1つ目は、法令上、事業者が必ず取り扱う情報(健康診断の受診・未受診、面接指導の申出の有無など)。2つ目は、本人の同意なしに収集できるものの、社内で取扱い方を決めて運用すべき情報(法定項目の健康診断の結果など)。3つ目は、本人の同意が必要な情報(法定外項目の健診結果、健康相談の結果、通院状況など)です。
規程は、衛生委員会等で労使が話し合って決め、従業員に周知します。50人未満の事業場でも、従業員の意見を聴く機会を活用して定めます。また、同意しないことや、情報の内容を理由に、解雇や退職勧奨、不当な配置転換などをしてはなりません。
ルールがあることで、従業員は安心して相談でき、事業者は必要な措置を講じられます。不調の早期発見や予防は、そこから始まるのだと思います。
みなさんの職場では、「健康情報の取扱いルール」を決めていますか。
【出典・参考】
・労働政策研究・研修機構(JILPT)「第3回日本人の就業実態に関する総合調査」(国内労働情報26-04、2026年4月)
・労働政策研究・研修機構(JILPT)「『心の病』増加傾向が約4割、年代は10〜20代が最多」(ビジネス・レーバー・トレンド 2026年1・2月号)(日本生産性本部メンタル・ヘルス研究所「『メンタルヘルスの 取り組み』に関する企業アンケート調査」、2025年11月公表)
・厚生労働省「労働者の心身の状態に関する情報の適正な取扱いのために事業者が講ずべき措置に関する指針」(平成30年9月7日公示)